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関口 広美*; 関口 哲弘
Atomic Collision Research in Japan, (23), p.82 - 83, 1997/00
光刺激イオン脱離収量の内殻吸収端微細構造(PSID-NEXAFS)スペクトルは特定の表面吸着種の空軌道の性質等の局所的情報を与えると期待されている。本研究においては、Si基板に単分子吸着したDCOO吸着種からの酸素内殻励起領域におけるPSID-NEXAFSを高分解能軟X線分光器を用いて測定した。結合エネルギーの化学シフトを利用して、二種類の酸素を選択して内殻励起し、それぞれの励起で起こる脱離反応収量の違いを調べた。ヒドロキシ基酸素(-O-)の励起によりCDOイオン収量が増加し、カルボニル基酸素(C=O)の励起ではCD収量が増加した。このことから選択励起された原子の近傍で優先的に結合切断及び脱離が起こることが明らかにされた。また、O収量はカルボニル基酸素の励起で増加した。この結果は、ヒドロキシ酸素が基板のSi原子に直接結合しているため励起エネルギーが基板に散逸したためと考えられる。